“エルキュール・ポアロ”シリーズの長編23作目。
1948年11月、Collins社から刊行された。
米国版は同年「There is a Tide ...」のタイトルでDodd, Mead社から刊行された。
日本語初訳は1957年の『満潮に乗って』(恩地三保子訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ)。
早川書房
(日本語版翻訳権独占)1957
リンは現在の生活にあきあきしていた。 リンはしっかり者だった。 人からも頼られ、信じられて、あたかも海辺に立つ防波堤のように、厳として波を撃退する姿だったリン。 だが彼女はそんな自分にもあきていた。 防波堤をこえて奔騰する荒波にもまれて自由に泳いでみたいのだった……。 その時リンはデイヴイッドに会った。 危険な、無頼の男だった。 それだけに、リンは強くデイヴイッドに惹かれた。 潮に乗せられた藻のように…… 流れゆく先が死の渦潮であることを知る由もない藻のように……。 莫大な財産と、野望のためにはいかなることも辞さぬ殺人鬼のあいだに立たされた、傷つきやすい美貌の娘のとるべき道は？ エルキュール・ポアロの登場はいつ？
満潮に乗って
恩地三保子訳 早川書房 ハヤカワ・ポケット・ミステリ(384)リンは現在の生活にあきあきしていた。 リンはしっかり者だった。 人からも頼られ、信じられて、あたかも海辺に立つ防波堤のように、厳として波を撃退する姿だったリン。 だが彼女はそんな自分にもあきていた。 防波堤をこえて奔騰する荒波にもまれて自由に泳いでみたいのだった……。 その時リンはデイヴイッドに会った。 危険な、無頼の男だった。 それだけに、リンは強くデイヴイッドに惹かれた。 潮に乗せられた藻のように…… 流れゆく先が死の渦潮であることを知る由もない藻のように……。 莫大な財産と、野望のためにはいかなることも辞さぬ殺人鬼のあいだに立たされた、傷つきやすい美貌の娘のとるべき道は？ エルキュール・ポアロの登場はいつ？
1976
大戦後、故郷に帰ったリン・マーチモントは現在の単調な生活にうんざりしていた。しっかり者と、人からも頼られ信じられていたリン。だが彼女はそんな自分にあきていた……そんな時リンは、危険な無頼の男デイヴィッドに会い強く惹かれていった……叔父の莫大な遺産と、野望のためにはいかなることも辞さぬ謎の殺人鬼とのあいだに立たされた、美貌の娘リンのとるべき船舵は？そしてエルキュール・ポアロの登場はいつ？
表紙：真鍋博
満潮に乗って
恩地三保子訳 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫(HM1-9) ISBN:9784150700096大戦後、故郷に帰ったリン・マーチモントは現在の単調な生活にうんざりしていた。しっかり者と、人からも頼られ信じられていたリン。だが彼女はそんな自分にあきていた……そんな時リンは、危険な無頼の男デイヴィッドに会い強く惹かれていった……叔父の莫大な遺産と、野望のためにはいかなることも辞さぬ謎の殺人鬼とのあいだに立たされた、美貌の娘リンのとるべき船舵は？そしてエルキュール・ポアロの登場はいつ？
表紙：真鍋博
登場人物
| ゴードン・クロード | 百万長者。故人 |
| ロザリーン・クロード | ゴードンの若い未亡人 |
| デイヴィッド・ハンター | ロザリーンの兄 |
| ロバート・アンダーヘイ | 大尉。ロザリーン・クロード前夫。故人 |
| アデラ・マーチモント | ゴードンの姉 |
| リン・マーチモント | アデラの娘 |
| ローランド(ローリイ)・クロード | ゴードンの甥。リン・マーチモントの婚約者 |
| ジャーミイ・クロード | ゴードンの兄。弁護士 |
| フランセス・クロード | ジャーミイの妻 |
| ライオネル・クロード | ゴードンの弟。医師 |
| キャザリーン(ケイシイ)・クロード | ライオネルの妻 |
| ダグラス・ジョージ・ポーター | 退役軍人。前インド陸軍少佐。アンダーヘイ友人 |
| ビアトリス・リピンコット | 旅館《スタグ》の女主人 |
| バート・スペンス | ウォームズリイ・ヴェイル警察捜査主任 |
| エルキュール・ポアロ | 私立探偵 |
コラム
英版オリジナルタイトル「Taken at the Flood」と米版オリジナルタイトル「There is a Tide ...」は、共にシェイクスピア『ジュリアス・シーザー』でのブルータスの台詞から取られています。
"There is a tide in the affairs of men, which taken at the flood leads on to fortune ..."
この作品を最初に手に取って以降、長いこと『満潮に乗って』と(心の中で)読んでいたのですが、 書籍データベースで調べてみたら『満潮に乗って』でした。
"There is a tide in the affairs of men, which taken at the flood leads on to fortune ..."
この作品を最初に手に取って以降、長いこと『満潮に乗って』と(心の中で)読んでいたのですが、 書籍データベースで調べてみたら『満潮に乗って』でした。
2004
大富豪ゴードン・クロードが戦時中に死亡し、莫大な遺産を若き未亡人が相続した。戦後、後ろ盾としてのゴードンを失った弁護士や医師らクロード家の人々は、まとまった金の必要に迫られ窮地に立たされていた。“あの未亡人さえいなければ”一族の思いが憎しみへと変わった時……戦争が生んだ心の闇をポアロが暴く。
解説：中川右介
満潮に乗って
恩地三保子訳 早川書房 クリスティー文庫(23) ISBN:9784151300233大富豪ゴードン・クロードが戦時中に死亡し、莫大な遺産を若き未亡人が相続した。戦後、後ろ盾としてのゴードンを失った弁護士や医師らクロード家の人々は、まとまった金の必要に迫られ窮地に立たされていた。“あの未亡人さえいなければ”一族の思いが憎しみへと変わった時……戦争が生んだ心の闇をポアロが暴く。
解説：中川右介
映像化
テレビドラマ
監督：アンディ・ウィルソン 脚本：ガイ・アンドルーズ
出演： デビッド・スーシェ(ポワロ)、 ジェニー・アガター(アデーラ)、 パトリック・バラディ(ローリーン)、 エバ・バートヒッスル(ロザリーン)、 エリオット・コーワン(デビッド)、 アマンダ・ダウジ(リン)、 ペニー・ダウニー(フランシス)、 リチャード・ダーデン(ペブマーシュ)、 クレア・ハケット(ビアトリス・リピンコット)、 リチャード・ホープ(スペンス警部)、 シーリア・イムリー(キャシー・ウッドワード)、 ニコラス・ル・プレヴォ(ジョージ・ポーター)、 ティム・ピゴット＝スミス(ライオネル)、 エリザベス・スプリッグス、 ピップ・トレンス(ジェレミー・クロード)、 ティム・ウッドワード、 デビッド・イェランド(ジョージ)
ポワロとクロード一族は長い知り合いだが、ゴードン・クロードの死後、膨大な遺産が若妻に渡ってからというもの、一家は混乱していた。彼らを訪れたポワロは、未亡人ロザリーンとその兄デビッド・ハンターが家族から憎悪されていることを知る。するとポワロの滞在する宿で殺人事件が起る……。
■POIROT'S ERA ポワロのいた時代：「家族の価値」「紳士クラブ」「移民するアイルランド人」 ／■STAR CAST 撮影の舞台裏 スター紹介：「名優ぞろい」 ／■QUEEN OF CRIME ミステリーの女王：「子供の誕生」
満潮に乗って Taken at the Flood
2006年 英ITV 「名探偵ポワロ」Agatha Christie's POIROT X ｜
監督：アンディ・ウィルソン 脚本：ガイ・アンドルーズ
出演： デビッド・スーシェ(ポワロ)、 ジェニー・アガター(アデーラ)、 パトリック・バラディ(ローリーン)、 エバ・バートヒッスル(ロザリーン)、 エリオット・コーワン(デビッド)、 アマンダ・ダウジ(リン)、 ペニー・ダウニー(フランシス)、 リチャード・ダーデン(ペブマーシュ)、 クレア・ハケット(ビアトリス・リピンコット)、 リチャード・ホープ(スペンス警部)、 シーリア・イムリー(キャシー・ウッドワード)、 ニコラス・ル・プレヴォ(ジョージ・ポーター)、 ティム・ピゴット＝スミス(ライオネル)、 エリザベス・スプリッグス、 ピップ・トレンス(ジェレミー・クロード)、 ティム・ウッドワード、 デビッド・イェランド(ジョージ)
満潮に乗って
デアゴスティーニ・ジャパン 「名探偵ポワロ DVDコレクション」第16号(2011)ポワロとクロード一族は長い知り合いだが、ゴードン・クロードの死後、膨大な遺産が若妻に渡ってからというもの、一家は混乱していた。彼らを訪れたポワロは、未亡人ロザリーンとその兄デビッド・ハンターが家族から憎悪されていることを知る。するとポワロの滞在する宿で殺人事件が起る……。
■POIROT'S ERA ポワロのいた時代：「家族の価値」「紳士クラブ」「移民するアイルランド人」 ／■STAR CAST 撮影の舞台裏 スター紹介：「名優ぞろい」 ／■QUEEN OF CRIME ミステリーの女王：「子供の誕生」
テレビドラマ
監督：エリック・ウォレット 脚本：シルヴィ・シモン
出演： アントワーヌ・デュレリ(ラロジエール警視)、 マリウス・コルッチ(ランピオン刑事)、 マリー・ドゥナルノー、 Alexandre Zambeaux、 イヴ・ピグノ、 ニッキー・マルボー、 ブランディーヌ・ベラヴォア、 ドミニク・ラブリエ、 Luce Mouchel、 Pascal Ternisien、 David Gabison、 Olivier Carré、 Serge Dubois、 François Siener、 Marielle Duroule、 エリック・ブリューズ、 Charles-Antoine Decroix、 Mickaël Wiame
満潮に乗って Le Flux et le Reflux
2011年 France2 「アガサ・クリスティーのフレンチ・ミステリー」Les Petits Meurtres d'Agatha Christie ｜
監督：エリック・ウォレット 脚本：シルヴィ・シモン
出演： アントワーヌ・デュレリ(ラロジエール警視)、 マリウス・コルッチ(ランピオン刑事)、 マリー・ドゥナルノー、 Alexandre Zambeaux、 イヴ・ピグノ、 ニッキー・マルボー、 ブランディーヌ・ベラヴォア、 ドミニク・ラブリエ、 Luce Mouchel、 Pascal Ternisien、 David Gabison、 Olivier Carré、 Serge Dubois、 François Siener、 Marielle Duroule、 エリック・ブリューズ、 Charles-Antoine Decroix、 Mickaël Wiame