“ミス・マープル”シリーズ12作目となる第11長編。
1971年、Woman's Realm (25 September ~ 6 November 1971)に簡易版が連載された後、同年11月にCollins社から刊行された。
米国でも同年、Star Weekly Novel (16 ~ 23 October 1971)に簡易版が連載され、同年Dodd, Mead社から刊行された。
日本語初訳は1972年の『復讐の女神』乾信一郎訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ)。
早川書房
(日本語版翻訳権独占)1972
午後になると二つ目の新聞「タイムズ」をひらくのが、セント・メアリ・ミードに住むミス・マープルの習慣だった。 ときどき知った名前に出会うことがあるので、死亡欄にはとくにていねいに目を通す。 その日もラフィールという名を見つけた。 数年前 カリブ海に遊んだマープルが自ら〈復讐の女神〉と名乗って大活躍をしたとき、彼女に援助の手をさしのべてくれたあの大富豪のラフィール氏だった。 ところがそれから一週間ほどたって、故ラフィール氏の奇妙な伝言が弁護士を通じてミス・マープルに伝えられた。 遺産の一部を譲りたいが、ついてはマープルを〈復讐の女神〉とみこんであることをやってほしいという。 が、マープルに何を期待しているのか、何をしてもらいたいのか全く判然としない。 カリブ海の事件のことからラフィール氏は何か犯罪を解決してもらいたいのだろうと解釈したマープルは、死者の依頼を引き受けることにした。 だが、事件そのものが分らないという雲をつかむような事態の前にさっそく開始した活動も行き詰ってしまった。 そのとき死者から第二の指令がとどいた。 身辺に十分気をつけて、英国の古い館と庭園をめぐる観光旅行に参加するようにと……。 〈復讐の女神〉ミス・マープルのミステリ・ツアー。 女史が意欲を燃やすミス・マープル三部作の第二弾!
解説:「ミス・マープル三部作」
復讐の女神
乾信一郎訳 早川書房 ハヤカワ・ポケット・ミステリ(1189)午後になると二つ目の新聞「タイムズ」をひらくのが、セント・メアリ・ミードに住むミス・マープルの習慣だった。 ときどき知った名前に出会うことがあるので、死亡欄にはとくにていねいに目を通す。 その日もラフィールという名を見つけた。 数年前 カリブ海に遊んだマープルが自ら〈復讐の女神〉と名乗って大活躍をしたとき、彼女に援助の手をさしのべてくれたあの大富豪のラフィール氏だった。 ところがそれから一週間ほどたって、故ラフィール氏の奇妙な伝言が弁護士を通じてミス・マープルに伝えられた。 遺産の一部を譲りたいが、ついてはマープルを〈復讐の女神〉とみこんであることをやってほしいという。 が、マープルに何を期待しているのか、何をしてもらいたいのか全く判然としない。 カリブ海の事件のことからラフィール氏は何か犯罪を解決してもらいたいのだろうと解釈したマープルは、死者の依頼を引き受けることにした。 だが、事件そのものが分らないという雲をつかむような事態の前にさっそく開始した活動も行き詰ってしまった。 そのとき死者から第二の指令がとどいた。 身辺に十分気をつけて、英国の古い館と庭園をめぐる観光旅行に参加するようにと……。 〈復讐の女神〉ミス・マープルのミステリ・ツアー。 女史が意欲を燃やすミス・マープル三部作の第二弾!
解説:「ミス・マープル三部作」
1980
新聞の死亡欄を読んでいたミス・マープルは、かつて事件の解決に協力してくれた富豪ラフィールの名を目にした。一週間後、思いがけずそのラフィールから遺言状が届いた。彼女を<復讐の女神>と見込んである犯罪の調査をしてくれというのだが、肝心の事件には何も触れていない。五里霧中のまま第二の指令どおり名園巡りの旅に出かけたマープルは遂に悪の匂いを嗅ぎつける……『カリブ海の秘密』の続編にあたる晩年の意欲作。
1. 序曲/ 2. 合言葉はネメシス/ 3. ミス・マープル活躍を始める/ 4. エスター・ウォルターズ/ 5. あの世からの指図/ 6. 愛/ 7. ある招待/ 8. 三人姉妹/ 9. ポリゴナム・バルドシュアニカム/ 10. “なんと、やさしく! なんと、美しく! 過ぎし日よ”/ 11. 事故/ 12. 協議/ 13. 黒と赤のチェック/ 14. ブロードリブ氏の疑念/ 15. ヴェリティ/ 16. 検死審問/ 17. ミス・マープルの訪問/ 18. ブラバゾン副司教/ 19. 別れの言葉を交す/ 20. ミス・マープルに考えあり/ 21. 大時計三時を打つ/ 22. ミス・マープルその次第を語る/ 23. 終曲
解説:「ミス・マープルへの贈物」
表紙:真鍋博
復讐の女神
乾信一郎訳 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫(HM1-52) ISBN:9784150700522新聞の死亡欄を読んでいたミス・マープルは、かつて事件の解決に協力してくれた富豪ラフィールの名を目にした。一週間後、思いがけずそのラフィールから遺言状が届いた。彼女を<復讐の女神>と見込んである犯罪の調査をしてくれというのだが、肝心の事件には何も触れていない。五里霧中のまま第二の指令どおり名園巡りの旅に出かけたマープルは遂に悪の匂いを嗅ぎつける……『カリブ海の秘密』の続編にあたる晩年の意欲作。
1. 序曲/ 2. 合言葉はネメシス/ 3. ミス・マープル活躍を始める/ 4. エスター・ウォルターズ/ 5. あの世からの指図/ 6. 愛/ 7. ある招待/ 8. 三人姉妹/ 9. ポリゴナム・バルドシュアニカム/ 10. “なんと、やさしく! なんと、美しく! 過ぎし日よ”/ 11. 事故/ 12. 協議/ 13. 黒と赤のチェック/ 14. ブロードリブ氏の疑念/ 15. ヴェリティ/ 16. 検死審問/ 17. ミス・マープルの訪問/ 18. ブラバゾン副司教/ 19. 別れの言葉を交す/ 20. ミス・マープルに考えあり/ 21. 大時計三時を打つ/ 22. ミス・マープルその次第を語る/ 23. 終曲
解説:「ミス・マープルへの贈物」
表紙:真鍋博
登場人物
ジェーン・マープル | 探偵好きな独身の老婦人 |
ジェースン・B・ラフィール | マープルの知人。故人 |
マイクル・ラフィール | ラフィールの息子 |
エスター・ウォルターズ | 未亡人。ラフィールの秘書 |
アーサー・ジャクスン | ラフィールのマッサージ師 |
ジェームス・R・ブロードリブ | 上位弁護士。ジェースン・ラフィールの遺言執行人 |
シュスター | 弁護士。ブロードリブの共同経営者 |
クロチルド・ブラッドベリースコット | ジョスリン・セント・メアリの旧領主邸在住 |
アンシア・ブラッドベリースコット | ブラッドベリースコット家の三女 |
ラヴィニア・グリン | ブラッドベリースコット家次女。未亡人 |
ヴェリティ・ハント | 殺された娘 |
ノラ・ブロード | 行方不明の娘 |
ブラバゾン | 副司教。フィルミンスター在住 |
ライズリー(ゼラルディン)・ポーター夫人 | 観光バスの乗客 |
ジョアナ・クロフォード | 観光バス乗客。ポーター夫人の姪 |
ウォーカー大佐 | 観光バス乗客。退役軍人 |
ウォーカー夫人 | 観光バスの乗客。メリーピットの知人 |
ヘンリー・バトラー | 観光バスの乗客 |
メイミー・バトラー | 観光バスの乗客。ヘンリーの妻 |
ミス・エリザベス・マーガレット・テンプル | 観光バスの乗客。ファローフィールド校の元校長 |
ワンステッド教授 | 観光バス乗客。病理・心理学者 |
リチャード・ジェームスン | 観光バスの乗客。建築家 |
ミス・ラムリー | 観光バスの乗客 |
ミス・ベンサム | 観光バスの乗客 |
ミス・クック | 観光バスの乗客。ミス・バローの連れ |
エムリン・プライス | 観光バスの乗客 |
ミス・バロー | 観光バスの乗客。ミス・クックの連れ |
2004
マープルは、かつてともに事件を解決した富豪の死を知る。その一週間後、「ある犯罪調査をしてほしい」と富豪が記した手紙が届く。だが、具体的な犯罪の内容については何も書かれていなかった。マープルは手紙の指示通り旅に出るが、そこには様々な思惑をもつ人々が待ちかまえていた。『カリブ海の秘密』の続篇。
解説:南波雅「合言葉は『ネメシス』」
復讐の女神
乾信一郎訳 早川書房 クリスティー文庫(45) ISBN:9784151300455マープルは、かつてともに事件を解決した富豪の死を知る。その一週間後、「ある犯罪調査をしてほしい」と富豪が記した手紙が届く。だが、具体的な犯罪の内容については何も書かれていなかった。マープルは手紙の指示通り旅に出るが、そこには様々な思惑をもつ人々が待ちかまえていた。『カリブ海の秘密』の続篇。
解説:南波雅「合言葉は『ネメシス』」
映像化
テレビドラマ
監督:デービッド・タッカー 脚本:T.R.ボウエン
出演: ジョーン・ヒクソン(マープル)、 ピーター・ティルバリー(ライオネル・ピール)、 フランク・ガットリフ(ジェイソン・ラフィエル)、 Barbara Franceschi、 ブルース・ペイン(マイケル・ラフィエル)、 ロジャー・ハモンド(ブロードリブ)、 パトリック・ゴッドフリー(シュスター)、 アン・クイーンズベリー、 ジョアンナ・ホール、 ヘレン・チェリー(エリザベス・テンプル)、 ジョン・ホースリー(ワンステッド教授)、 ジェーン・ブッカー(ミス・クック)、 アリソン・スキルベック(ミス・バロウ)、 ヴァレリー・ラッシュ(ラヴィニア・グリン)、 マーガレット・チザック(クロチルド・ブラッドベリースコット)、 アンナ・クロッパー(アンシア・ブラッドベリースコット)、 リズ・フレイザー、 ピーター・コプリー(ブラバゾン大執事)、
復讐の女神 Nemesis
1987年 英BBC(全2回) 「ミス・マープル」Miss Marple |監督:デービッド・タッカー 脚本:T.R.ボウエン
出演: ジョーン・ヒクソン(マープル)、 ピーター・ティルバリー(ライオネル・ピール)、 フランク・ガットリフ(ジェイソン・ラフィエル)、 Barbara Franceschi、 ブルース・ペイン(マイケル・ラフィエル)、 ロジャー・ハモンド(ブロードリブ)、 パトリック・ゴッドフリー(シュスター)、 アン・クイーンズベリー、 ジョアンナ・ホール、 ヘレン・チェリー(エリザベス・テンプル)、 ジョン・ホースリー(ワンステッド教授)、 ジェーン・ブッカー(ミス・クック)、 アリソン・スキルベック(ミス・バロウ)、 ヴァレリー・ラッシュ(ラヴィニア・グリン)、 マーガレット・チザック(クロチルド・ブラッドベリースコット)、 アンナ・クロッパー(アンシア・ブラッドベリースコット)、 リズ・フレイザー、 ピーター・コプリー(ブラバゾン大執事)、
テレビドラマ
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン 脚本:スティーブン・チャーチェット
出演: ジェラルディン・マクイーワン(ミス・マープル)、 ローラ・ミッシェル・ケリー(マーガレット/ベリティ)、 ダン・スティーブンズ(マイケル)、 グレイム・ガーデン(ブロードリブ)、 リチャード・E・グラント(レイモンド)、 ルース・ウィルソン(ジョージーナ)、 ジョニー・ブリッグズ(ラムリー)、 ジョージ・コール(レイバン)、 ロニ・アンコーナ(アマンダ)、 エイドリアン・ローリンズ(ターンブル)、 エミリー・ウーフ(ロウィーナ)、 ウィル・メラー(ワッディ)、 アン・リード(アグネス)、 アマンダ・バートン(クロチルド)、 リー・イングルビー(ハーズ)
復讐の女神 Nemesis
2009年 英ITV 「アガサ・クリスティー ミス・マープル」Agatha Christie's MARPLE Series 3 |監督:ニコラス・ウィンディング・レフン 脚本:スティーブン・チャーチェット
出演: ジェラルディン・マクイーワン(ミス・マープル)、 ローラ・ミッシェル・ケリー(マーガレット/ベリティ)、 ダン・スティーブンズ(マイケル)、 グレイム・ガーデン(ブロードリブ)、 リチャード・E・グラント(レイモンド)、 ルース・ウィルソン(ジョージーナ)、 ジョニー・ブリッグズ(ラムリー)、 ジョージ・コール(レイバン)、 ロニ・アンコーナ(アマンダ)、 エイドリアン・ローリンズ(ターンブル)、 エミリー・ウーフ(ロウィーナ)、 ウィル・メラー(ワッディ)、 アン・リード(アグネス)、 アマンダ・バートン(クロチルド)、 リー・イングルビー(ハーズ)
映画
監督・脚本:パスカル・トマ 脚本:Clémence de Biéville、Nathalie Lafaurie
出演: アンドレ・デュソリエ(ベリゼール・ベレスフォルド)、 カトリーヌ・フロ(プリュダンス・ベレスフォルド)、 リン=ダン・ファム、 ニコラ・マリエ、 アガト・ドゥ・ラ・ブライユ、 エリック・ナガール、 ベルナール・ヴェルレー、 エルベ・ピエール、 サラ・ビアシーニ、 François Bettens、 Julos Beaucarne、 カロリーヌ・ピゴッツィ、 ジョージズ・シャピュイ、 アレクサンドル・ラフォーリ、 ヴァニア・プレミアニコフ、 カティア・チェンコ
Associés contre le crime
2012年 フランス |監督・脚本:パスカル・トマ 脚本:Clémence de Biéville、Nathalie Lafaurie
出演: アンドレ・デュソリエ(ベリゼール・ベレスフォルド)、 カトリーヌ・フロ(プリュダンス・ベレスフォルド)、 リン=ダン・ファム、 ニコラ・マリエ、 アガト・ドゥ・ラ・ブライユ、 エリック・ナガール、 ベルナール・ヴェルレー、 エルベ・ピエール、 サラ・ビアシーニ、 François Bettens、 Julos Beaucarne、 カロリーヌ・ピゴッツィ、 ジョージズ・シャピュイ、 アレクサンドル・ラフォーリ、 ヴァニア・プレミアニコフ、 カティア・チェンコ