運命の裏木戸
Postern of Fate

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“トミーとタペンス”シリーズ最終作となる第4長編。
1973年10月、Collins社から刊行された。 米国版も同年、Dodd, Mead社から刊行。
日本語初訳は1974年の『運命の裏木戸』(中村能三訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ)。
このシリーズは 『秘密機関』→ 『おしどり探偵』→ 『NかMか』→ 『親指のうずき』→ 『運命の裏木戸』の刊行順で読むことを推奨します。

早川書房

(日本語版翻訳権独占)
1974
運命の裏木戸
中村能三訳 早川書房 ハヤカワ・ポケット・ミステリ(1234)
デヴォンシャーの古い邸『月桂樹荘』に引越したベレズフォード一家の総勢は三人と一匹─― トミーとタペンス、古くからの従僕アルバート、そして愛犬ハンニバル。 老いた夫妻が余生をおくるための邸も、今は足の踏み場もないほどの混乱ぶりだった。 電気屋のあけた穴、散らばった道具類。 おまけにタペンスはもちまえの好奇心から、本棚に残されていたたくさんの本を、いちいち引っ張り出しているありさまだった。 一冊一冊を手にとり、少女時代の思い出にふけっていたタペンスは、『黒い矢』のページを繰るうちにふと手を止めた。 そこらじゅうに赤いアンダーラインが引いてある。 暗号らしい―― 『メアリ・ジョーダンの死は自然死ではない、犯人はわたしたちのなかにいる、わたしには誰だかわかっている』 本には、アレグザンダー・パーキンソンというたどたどしい署名があった。 五十年以上前、第一次大戦ごろにこの邸に住んでいた、パーキンソン家の一員らしい。 このメッセージの謎は? メアリ・ジョーダンとは? タペンスの好奇心は、すでに抑えられないほどに高まっていった。 が、調査を始めた夫妻に、危険な影が迫りはじめる。 そして意外な殺人事件へと……! 異色コンビ、トミーとタペンスひさびさの登場!
1981
運命の裏木戸
中村能三訳 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫(HM1-59) ISBN:9784150700591
メアリの死は自然死ではない……タペンスは引っ越し先の旧家で見つけた古本の中から、奇妙な文章を見つけた。持ち前の好奇心がむくむく頭をもたげ、おしどり探偵トミーとタペンスはさっそく調査を開始した。どうやら、本の持ち主は半世紀前に若死にした少年でメアリというのは彼の育児係だったらしい。彼女の死が殺人であったことを少年は知らせようとしていたのか?犯罪の生じた起点に向かって進行する異色ミステリ!
第一部 (1. おもに本に関して/ 2. 黒い矢/ 3. 墓地を訪ねて/ 4. たくさんのパーキンソン/ 5. 不要品バザー/ 6. 問題/ 7. 問題続出/ 8. グリフィン夫人)/ 第二部 (1. 久しき者/ 2. マチルド、トルーラヴ、KKについての前置き/ 3. 朝食前にはできない六つのこと/ 4. トルーラヴに乗って。オックスフォードとケンブリッジ/ 5. 調査の方法/ 6. ロビンソン氏)/ 第三部 (1. メアリ・ジョーダン/ 2. タペンスによる調査/ 3. トミーとタペンス、メモを比べあう/ 4. マチルドの手術の可能性/ 5. パイクアウェイ陸軍大佐との会見/ 6. 運命の門/ 7. 死因陪審/ 8. 伯父さんの思い出/ 9. 少年団/ 10. タペンス襲われる/ 11. ハンニバル行動を開始/ 12. オックスフォード、ケンブリッジ、ローエングリン/ 13. ミス・マリンズの来訪/ 14. 庭での攻防/ 15. ハンニバル、クリスピン氏とともに実践にくわわる/ 16. 鳥は南へ飛ぶ/ 17. 最後の言葉――ロビンソン氏とのディナー)
表紙:真鍋博
登場人物
タペンス・ベレズフォード主人公
トミー・ベレズフォードタペンスの夫
アルバート・バットベレズフォード家の召使
アレグザンダー・パーキンソン『月桂樹荘』のもと住人。本の持ち主
メアリ・ジョーダンパーキンソン家の育児係
アイザック・ボドリコット庭師
ヘンリー・ボドリコットアイザックの孫
クラレンスヘンリーの友達
グエンダ店員
ハンニバルベレズフォード家の犬
モンティ・アトキンソントミーの旧友。大佐
ロビンソン諜報員
パイクアウェイ陸軍大佐。特捜部主任。トミーの旧友
ノリス警部
ミス・コロドントミーの調査員
2004
運命の裏木戸
中村能三訳 早川書房 クリスティー文庫(50) ISBN:9784151300509
長閑な生活をおくるべく、トミーとタペンスは田舎の家へ引っ越した。が、家で発見した古本には「メアリは自然死ではない」とのメッセージが!メアリという育児係が、のちにスパイ容疑をかけられ、不可解な死を遂げたことを知った二人は、大々的に聞き込みを開始する。すてきに齢をかさねた老夫婦探偵の大活躍
解説:大倉祟裕「消したい記憶」