ビッグ4
The Big Four

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クリスティの長編7作目となる冒険スリラー。 エルキュール・ポアロのシリーズ(長編)としては4作目にあたる。 長編、長編、と連呼したけれど、実際のところは連作短編。
1924年に「The Man who was No. 4」のタイトルでThe Sketchに掲載された後、1927年1月Collins社から刊行された。 米国版も1927年Dodd, Mead社から刊行。
日本語初訳は1956年の『ザ・ビッグ・4』(松本恵子訳 大日本雄弁会講談社)。

講談社

1956
ザ・ビッグ・4
松本恵子訳 大日本雄弁会講談社 ポワロ探偵シリーズ(11)
第四号の跳梁(思いがけぬ客/精神病院から来た男/李張閻の噂/羊の腿肉の重要性/科学者の失踪)/ 第三号の仮面(階段の上の女/ラヂウム泥棒/敵の家の中で/黄色いジャズミン/クロフトランド荘)/ ポワロを環る罠(チェスの殺人/餌のついた罠/鼠、罠にかかる/色褪せた金髪娘/凄まじき終結)/ 虎穴に入る(瀕死の支那人/第四号策略に勝つ/フェルゼンラビリンス)
1957
恐怖の四巨人
久米穣訳 大日本雄弁会講談社 少年少女世界探偵小説全集(3)
世界征服をめざして、秘密結社をつくった、四人のわるものを相手に、名探偵ポアロの大活躍! つぎつぎにおこる怪事件、思わず手にあせにぎる事件の連続で、いきつくひまもないおもしろさにあふれた冒険探偵物語!

早川書房

1959
ビッグ4
田村隆一訳 早川書房 ハヤカワ・ポケット・ミステリ(493)
一年半ぶりに、南米アルゼンチンの農場から、はるばる懐しのロンドンへ戻って来たヘイスティングズは、取るものも取りあえず旧友のもとへと駈けつけた。 旧友とは、卵型の頭とかがやく緑の目の小男――いわずと知れた名探偵エルキュール・ポアロである! だが、間の悪い時は仕方のないものだ。 ポアロは、アメリカの石鹸王ライランドの委嘱を受けて、ブラジルで起っている大事件を解決するため、いま出かけるところだったのだ。 二人の落胆は大きかったが、奇蹟でも起らぬかぎり、もう変更するわけにはいかない―― 諦めの言葉を、呟きかけたその時だった!ポアロの寝室に怪しい物音がしたと同時に、一人の憔悴しきった男が、倒れこんできた。 男はすでに口がきけず、ポアロの問に対して、無意味な4の数字を書き散らすばかり。 不審に思いながらも、ブラジル行の船に乗るべくポアロは急ぎ出発したが、ややあって、ポアロが、いきなり飛びあがった。 「ブラジル行は取り止めだ。ビッグ4のしかけた罠だったのだ!」 かくて、世界的ギャング団ビッグ4を相手に、ポアロは勇躍闘いを挑んだが、謎の女三号、冷血な変装の達人四号らの悪計は、しばしばポアロの生命をおびやかした! サスペンスとアクションに満ちた大犯罪小説!
1984
ビッグ4
田村隆一訳 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫(HM1-77) ISBN:9784150700775
ポアロの家に突然倒れ込んできた英国情報部員は、口もきけずにうわの空で数字の4を書き散らすばかり……謎の国際犯罪組織<ビッグ4>と名探偵の対決はこうして幕を開けた。世界制覇の野望を挫こうと、灰色の脳細胞をフル回転させて必死で追跡するポアロに村し、常に先手を打って証人を抹殺し、正体を現さない悪事の天才4人……死闘はイギリスからフランスに舞台を移し、ついには友人ヘイスティングズの目の前で、ポアロの命さえ……波瀾万丈の展開の末、イタリア山中で迎えた意想外の結末とは?謎解きと冒険の魅力に満ちた初期の意欲作。
1. 思いがけぬ客/ 2. 精神病院から来た男/ 3. リー・チャン・エンのうわさ/ 4. 羊の腿の肉/ 5. 科学者の失踪/ 6. 階段をかけあがった女/ 7. ラジウム泥棒/ 8. 敵の家にて/ 9. 黄色いジャスミンの謎/ 10. クロフトランド荘の捜査/ 11. チェスの問題/ 12. 罠/ 13. 鼠、罠にかかる/ 14. 脱色したブロンド/ 15. おそろしきカタストロフ/ 16. 瀕死の中国人/ 17. ナンバー・フォーの勝利/ 18. フェルゼンラビリンスにて
表紙:真鍋博
登場人物
エルキュール・ポアロ私立探偵
ヘイスティングスポアロの友人
ジェイムズ・ジャップロンドン警視庁警部
リー・チャン・エン<ビッグ4>の首領
ジョン・イングリズ中国通の退職文官
ジョナサン・ホェイリイもと船乗り。イングリズ知人
ロバート・グラントジョナサンの下男
ジョン・ハリデイイギリスの科学者
マダム・ハリデイハリデイの妻
マダム・オリヴィエフランスの科学者
イネス・ヴェロノーオリヴィエの秘書
エイブ・ライランドアメリカの「石鹸王」。富豪
ミス・マーチンエイブの速記者
ジェームズエイブの従僕
ディーヴズエイブの従者
ペインター旅行家
ジェラルド・ペインターペインター氏の甥
アー・リンペインターの召使い
クエンティンボリソー医師代診
サヴァロノフロシア人のチェスの名手
ギルモア・ウィルスン米国のチェスプレーヤー
ソニア・ダヴィロフサヴァロノフの姪
クロード・ダレル俳優
フロッシー・モンロークロードの恋人
シドニー・クラウザーイギリスの内務大臣
デジャルドーフランスの首相
2004
ビッグ4
中村妙子訳 早川書房 クリスティー文庫(4) ISBN:9784151300042
ポアロの家に倒れ込んできた男はうわの空で数字の4を書くばかり――国際犯罪組織〈ビッグ4〉と名探偵の対決はこうして幕を開けた。証人を抹殺し決して正体をあらわさない悪事の天才四人を追って、大陸へ渡ったポアロを恐るべき凶手が待ちうけていた。新訳で贈る波瀾万丈の冒険と驚愕の結末!
解説:若島正「クリスティーとチェスの問題」

東京創元社

1976
謎のビッグ・フォア
厚木淳訳 東京創元社 創元推理文庫(105-27) ISBN:9784488105273
国際的な秘密結社〈ビッグ・フォア〉とは何か? それは国籍を異にする四人の怪人物が世界征服をたくらむ、恐るべき犯罪組織だった。友人ヘイスティングズ大尉の協力を得てこの大組織に対する挑戦を開始したポワロの推理の冴えと大活躍。本格的な連作短編で構成された、謎ときの妙味とスリラーの迫力あふれるクリスティ女史の会心作!

1991年
表紙:ひらいたかこ

その他の出版社

1962
恐怖の四巨人
白木茂文 旺文社 中二ライブラリー(「中学時代二年生」付録)
どろまみれの男/第四号あらわる/グラニット荘の殺人/オリビエ夫人/目には目を/石切り場事件/変装の名人/生きていたポアロ/ホテルで/巨人のさいご/解説
1963
恐怖のビッグ・フォア
税田武生訳 学研 「中学二年コース」夏休み臨時増刊別冊付録

1965
恐怖のビッグ・フォア
白木茂文 旺文社 中二文庫(「中二時代」付録)
どろまみれの男/第四号あらわる/グラニット荘の殺人/オリビエ夫人/目には目を/石切り場事件/変装の名人/生きていたポアロ/ホテルで/巨人のさいご/解説

映像化

テレビドラマ
ビッグ・フォー The Big Four
2013年 英ITV 「名探偵ポワロ」Agatha Christie's POIROT XIII |The Big Four (2013) on IMDb
監督:ピーター・ライドン 脚本:マーク・ゲイティス、イアン・ハラード
出演: デビッド・スーシェ(エルキュール・ポワロ)ヒュー・フレイザー(ヘイスティングス)ポーリン・モラン(ミス・レモン)フィリップ・ジャクソン(ジャップ警視監)デビッド・イェランド(ジョージ)トム・ブルック(ローレンス・タイソー)ニコラス・デイ(イングリズ)ジェームズ・キャロル・ヨルダン(エイブ・ライランド)パトリシア・ホッジ(マダム・オリヴィエ)スティーヴン・ペイシー(ペインター)サイモン・ロー(ドクター・クエンティン)マイケル・カルキン(サヴァロノフ)ルー・ブロードベントサラ・パリッシュ(フロッシー・モンロー)ピーター・シモンズ(ジョナサン・ウォーリー)Barbara Kirbyニコラス・バーンズ(メドーズ警部補)テレサ・バナム(ダイアナ・ペインター)アレックス・パーマー(ロバート・グラント)